1. 元記事の引用
拡散の試算図2千枚、公表は2枚 放射性物質で安全委
SPEEDIの試算結果について記者会見する原子力安全委員会の班目春樹委員長=3月23日、内閣府
放射性物質の拡散を予測する国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で、福島第 1原発事故後に2千枚以上の拡散試算図が作成されていたことが18日、分かった。SPEEDIは原発事故時の避難対策などに活用することになっているが、 所管する原子力安全委員会が公表したのはわずか2枚だけ。
開発、運用には約128億円の予算が投じられたが“本番”でほとんど使われず、国の情報発信の姿勢や防災計画の実効性が問われそうだ。
安全委がSPEEDIの拡散試算図を公表したのは、3月23日と4月11日。福島県飯舘村など原発の北西方向を中心に、屋内退避区域の30キロ圏の外側でも、外部被ばくの積算値が1ミリシーベルトを超えたなどとの内容だった。
これら2回の公表は、避難や屋内退避の区域が設定されたり、農産物から放射性物質が検出され出荷制限がなされた りした後だった。安全委は、予測に必要な原子炉の圧力や温度、放射性物質の放出量といった放出源情報を入手できず、事故前の想定通りに拡散予測はできな かったと強調していた。
しかし、文部科学省がSPEEDIの運用を委託する原子力安全技術センター(東京)によると、風向、降雨といっ た気象や放射性物質の放出量など、さまざまな仮定の条件に基づいた試算を繰り返している。ほかにも事故直後から1時間ごとに、その時点で放射性物質が1ベ クレル放出されたと仮定して3時間後の拡散を予測。これまでに作成した拡散試算図は、2千枚以上になるという。
安全委は、試算図を公表しない理由について「放射性物質の放出量データが乏しい。試算図は実際の拡散状況と異なり、誤解を招きかねない」と説明するが、未公表の試算図の中には、実際の拡散と近似した傾向を示すものもあった。
国の拡散予測としては、ほかに気象庁の予測があるが、同庁は「SPEEDIが国の正式な拡散予測」として、今月5日まで公表していなかった。
2011/04/18 19:43【共同通信】
----- 引用おわり -----
2. とぅぎゃり
ツイートのとぅぎゃりは以下です。
「拡散の試算図2千枚、公表は2枚 放射性物質で安全委」の記事に関する推測と批判(?) http://togetter.com/li/125440
なお実際の原子力安全委員会の SPEEDI の計算結果の公開情報は以下にまとめられています。
文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による計算結果 http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html
3. とぅぎゃりの考察を実際に公表された結果で検討してみると…。
(2)や (3) については、上記とぅぎゃりで指摘している、「実際の放出を予測しておらず、特定の条件でどのように拡散するかを確認し他のシミュレーションを確認したり理解を深めるのに使ったのでは」という検討だと思います。これの類似情報は。(2) や (3) の内容を見ればわかるように、一般的にはあまり必要ないのではないでしょうか? 詳細に調べる人がアクセス出来ればいい情報に思います。
公表されている (1) や (4) についても、仮想事故等の検討が多いようですね(この部分はあまり役に立たないのでは)。
原子力災害対策本部事務局(原子力安全・保安院)におけるSPEEDI計算図形一覧 (平成23年3月11日〜16日) http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/speedi/erc/speedi_erc_index.html
試算図2千枚として他に公表して役に立ったものは、そんなにないのではと、現在公表されたデータからも思います(上記の (2)や (3) については誤解は生みそうですが、一般の人の避難等に役に立つのでしょうか?)。